ワニ🐊 @wani
雨の日は煙が濡れますね……」 「えぇ!全く!いつもより煙が遅い!」 私が夫と付き合う前、タクシーを待っているときにした会話。 この時、彼がどんな気持ちで会話を始めたのか知る由もないけど、私にとっては「運命」を感じさせる会話だった。 「雨の日は煙が濡れる」 喫煙者がよく使う比喩だ。 当然、煙が雨で濡れるわけもなく、退屈な待ち時間を喫煙で潰していることを表すのが主な効果。 また、煙が濡れるという表現は基本的に、速度に対する評価。 つまり、雨の日の副流煙は遅い。 けれど、この表現は事実と異なる。 雨の日は気流が乱れるので副流煙はすぐ撹拌されて消える。 実際、遅くも何ともない。 では、何故遅く感じるか? それは待ち時間という属性がそうさせる。 喫煙者は副流煙の行方など気にしない。 忙しいときはもちろん、そうじゃない時も。 が、例外として「退屈な待ち時間」であれば履いた煙を見つめる余裕がある。 余裕のある彼は、少し魅力的だった。 その余裕は、彼を少し変えた。 だから、筋金入りの理系である彼が文学的な表現をした。 いつもの彼は文学的な表現よりも科学的な事実を優先する"つまらない"男。 そんな普段とのギャップに、私は、五月雨に打たれて揺れ動いた。 今にして思えば、その時点で好きになっていたのかもね……。 結婚記念日直前に、付き合う前の彼との思い出を思い返した午前でした!!